本記事では、企業が直面する部署・役職の統一管理の課題と、その解決策としてのHubspotワークフローとGenerative AIの活用した部署や役職の割り振り方法について解説します。また、自社基準での部署・役職管理を実現するためのカスタムワークフローの設定方法や、独自の割り振り基準への対応についても触れていきます。
データドリブンな意思決定が求められる中、組織内のデータ統一は非常に重要なテーマです。本記事が、読者の皆様の組織におけるデータ活用の一助となれば幸いです。
会社によって、部署や役職はバラバラになっています。分析の観点において、バラバラの状態では分析が難しくなります。
Hubspotにかかわらず、FSAやCRMでは、自社で部署や役職を統一管理することで、取引先や顧客の部署・役職情報を正確に把握し管理することは非常に重要です。
値を統一することで、営業活動における適切なアプローチや、マーケティング施策のターゲティングなどに役立つだけでなく、組織全体での情報共有や分析にも活用することが可能になります。
特に、自社の部署・役職体系に沿って外部データを整理することで、自社の組織体制の視点から分析や施策立案ができるようになります。
部署・役職の自社基準管理を進める上での障壁となるのが、データ取得チャネルの多様化です。リストのインポートやフォーム入力など、コントロール可能なチャネルであれば部署・役職の統一が容易ですが、展示会リストやアウトバウンド営業で取得したデータは統一が難しいのが実情です。
中でも部署名は企業や業界によって大きく異なるため、自社基準での管理は困難を極めます。役職名についても、経営層を表す肩書の表現は多岐に渡るため、すべてを自社基準に割り振るのは容易ではありません。こうした中で、全てのチャネルのデータを手作業で自社基準に統一するのは非常に手間がかかり、データ管理者やマーケターの悩みの種となっていると思います。
今回、HubspotのカスタムワークフローとGenerative AIを組み合わせることで、部署・役職の自動割り振りを可能にする仕組みを構築しました。
本ワークフローを用いれば、インポートデータ内の部署・役職を自社基準に8-9割の精度で自動割り振りできます。
仕組みの概要は以下の通りです。
この仕組みにより、手作業での割り振り負荷を大幅に下げつつ、自社基準でのデータ管理を実現可能にします。もちろん100%の精度は期待できませんが、開発時の精度では80~90%程度の精度で、ほとんどのケースで適切な割り振りが実現でき、分析や施策立案に必要十分なレベルのデータ統一が可能になるはずです。
また、チューニングも可能となるため、精度が低い場合は、問い合わせていただければ精度を高めるためのチューニングも対応いたします。
本ワークフローの利用方法は非常にシンプルです。
カスタムワークフローアプリをインストールしてください。
利用可能プランはプロフェッショナルプランのみです。
入力箇所は2箇所になります。
・入力データ 変換したいデータが入っている項目を設定
・割り振りデータ 自社が割り振りたい項目を設定
割り振りデータはカンマで区切っていただければ複数設定が可能です。
割り振りの際には部署が空白や役職が空白の場合があります。
この場合、if分岐で対応していただけると空白への対応が可能になります。
詳しい対応方法は動画で解説しておりますので動画を確認してください。
今回リリースする部署・役職の自動割り振り機能は、あくまで一般的な企業の体系を想定したものです。そのため、自社独自の複雑な部署・役職体系を持つ企業にとっては、本ワークフローがそのまま適用できない可能性があります。
こうした企業固有の基準への対応は、今後の課題と位置付けています。具体的には、カスタムワークフローに自社基準を設定するオプションを追加することを検討しています。これにより、企業独自の部署・役職体系を持つ企業でも、自動割り振り機能を活用できるようになるはずです。また、ワークフローへのフィードバックも歓迎します。割り振り精度など、改善要望があればぜひお寄せください。今後も、皆様からのフィードバックを元に、本ワークフローの改善・進化を図って参ります。
HubspotワークフローとGenerative AIを活用することで、部署・役職の自動割り振り機能を実現しました。本機能を活用することで、自社基準での部署・役職管理を低コストかつ高精度で実現することが可能です。
一方で自社固有の基準への対応など、課題も残されています。この点は今後の継続的な改善の中で対応を進めていく予定です。
部署・役職の統一管理は、組織における情報活用と意思決定の質を大きく左右する重要な取り組みです。ぜひ本ワークフローを活用いただき、データドリブンな組織づくりを加速していただければ幸いです。