直帰率とは、ウェブサイトにアクセスしたユーザーが、最初に開いたページだけを見てサイトから離れてしまう割合を指します。ウェブサイトのパフォーマンスを評価する上で重要な指標の一つであり、ユーザーエクスペリエンス(UX)、コンテンツの品質、さらにはマーケティング戦略の有効性を測るために活用されます。直帰率が高いということは、ユーザーが求めている情報を見つけられなかった、あるいはサイトの操作性が悪いといった問題を示唆している可能性があります。したがって、直帰率を把握し、適切に改善することは、ウェブサイトのコンバージョン率(CVR)向上に不可欠です。
直帰率とよく似た指標に離脱率があります。直帰率は、ウェブサイトへの最初の訪問ページのみに焦点を当てていますが、の離脱率を、ウェブサイト内の任意のページからユーザーが離脱する割合を表します。たとえば、ユーザーがトップページ、会社概要ページ、そしてIRページへと進み、IRページでサイトを去った場合、IRページの離脱率がカウントされます。離脱率は、特定のページにおける離脱数とそのページのページビュー数を基に計算されます。しかし、ユーザーが最初にIRページを訪れてそのまま離れた場合、これは直帰でもあり、離脱でもあります。離脱率はサイト全体のユーザーの動きを理解するのに役立ち、直帰率は特定のページが入口としてどれだけ効果的かを評価するのに役立ちます。
直帰率は、ウェブサイトの運用状況を把握し、改善策を講じるための重要な手がかりとなります。特に、ランディングページ(LP)のように、サイトへの入口となるページでは、直帰率がコンバージョン率(CVR)に大きく影響を与えるため、注意深く監視する必要があります。高い直帰率は、ユーザーが期待する情報とコンテンツ内容の不一致、サイトのUI/UXの問題、ページの表示速度の遅さなど、さまざまな課題を示している可能性があります。一方、ニュース記事やブログ記事のように、1ページで情報が完結するコンテンツの場合は、直帰率が高くても必ずしも問題があるとは限りません。重要なのは、ウェブサイトの目的とユーザーの期待に合致したコンテンツを提供し、快適なユーザー体験を実現することです。
直帰率が低いことが常に良いとは限りません。ウェブサイトの種類、業界、流入元などによって、理想的な直帰率は異なります。例えば、ECサイトのように複数のページを閲覧してもらうことを目的とするサイトでは、直帰率を低く抑える必要があります。しかし、ブログやFAQページのように、1ページで必要な情報が得られるサイトでは、直帰率が高くても問題ないケースもあります。大切なのは、ウェブサイトの目的と、ユーザーに期待する行動を明確にし、その目的に合わせて直帰率を評価することです。また、直帰率が異常に高い、または低い場合は、Googleアナリティクスの設定に誤りがないか確認することも重要です。
直帰率は、次のシンプルな計算式で求められます。
直帰率=(直帰セッション数 ÷ 全セッション数)× 100
具体例として、あるWebサイトのページAに200回の訪問(セッション)があり、そのうち80回のセッションが直帰だったとします。この場合、ページAの直帰率は40%となります。重要なのは、直帰はユーザーがそのページを最初に訪れたセッションでのみカウントされる点です。つまり、ユーザーが他のページを経由してページAにアクセスし、その後サイトを離れたとしても、それは直帰とはみなされません。
また、Googleアナリティクスを使用して離脱率を確認する方法も重要です。サイト全体や個別のページとして離脱率を確認し、特に離脱率が高いページには改善が必要です。
Googleアナリティクス4(GA4)での直帰率の確認方法を説明します。GA4では、直帰率の定義がよりユーザーエンゲージメントを重視したものに更新され、「エンゲージメントがなかったセッションの割合」とされています。エンゲージメントとは、ユーザーがWebページを10秒以上閲覧、コンバージョンイベントの発生、2ページ以上の閲覧といったアクティブな行動のことです。GA4で直帰率を確認するには、「探索」レポートを活用します。探索レポート内で、「ページタイトル」をディメンションに、「セッション」と「直帰率」を指標に設定し、レポートを作成することで、各ページの直帰率を把握できます。
ユーザーが直帰する理由はさまざまです。ユーザーの行動特性に基づき、直帰は主に3つのタイプに分類できます。「Hard Bounce(ハードバウンス)」は、ユーザーがページに全く興味を示さず、即座に離脱するケースです。「Medium Bounce(ミディアムバウンス)」は、ユーザーがページに少しだけ興味を持ち、数秒程度は滞在するケースです。「Soft Bounce(ソフトバウンス)」は、ユーザーがページに十分な関心を持ち、スクロールやクリックなどの操作も行うものの、最終的には離脱してしまうケースです。これらのタイプを詳細に分析することで、Webサイトの課題点を特定し、より効果的な改善策を立案できます。例えば、Hard Bounceが多い場合は広告のターゲット設定の見直し、Medium Bounceが多い場合はコンテンツの導入部分の改良、Soft Bounceが多い場合はコンテンツの内容やUI/UXのデザイン改善といった対策が有効です。
ランディングページ(LP)の直帰率を改善し、コンバージョン率(CVR)を向上させるには、LPO(ランディングページ最適化)が非常に重要です。LPOとは、LPの各要素を改善し、訪問者をコンバージョンへと導くための施策です。具体的には、ファーストビュー(最初に目に入る部分)のデザイン変更、CTA(Call To Action:行動喚起)ボタンの最適化、コンテンツの見直しなどを行います。LPOを実施する際は、まず仮説を立て、A/Bテストなどのデータに基づいた検証を行い、最も効果的な改善策を特定することが重要です。また、LPだけでなく、フォームの最適化(EFO)も並行して行うべきです。LPからフォームへの遷移率が高くても、フォームの入力完了率が低いと、最終的なコンバージョンには繋がりません。フォームの入力項目数の削減、入力補助機能の導入、セキュリティ対策のアピールなど、EFOにも積極的に取り組みましょう。
ウェブサイトの直帰率の目安は、サイトの種類、業界、ユーザーがどこから来たかによって大きく変わります。例えば、ブログ、辞書サイト、ランディングページ(LP)などは直帰率が高くなる傾向があり、ECサイトや企業間取引(BtoB)サイトは低くなる傾向があります。業界別に見ると、飲食店は情報が1ページにまとまっていることが多いため直帰率が高く、不動産は物件ページを複数見てもらう必要があるため低くなる傾向にあります。流入元で見ると、ディスプレイ広告は幅広いユーザーに表示されるため直帰率が高く、メールマガジンは既に興味を持っているユーザーに届くため低くなる傾向があります。これらの違いを理解し、ご自身のウェブサイトの直帰率が適切かどうかを判断し、改善が必要かを見極めましょう。
ウェブサイトの全てのページの直帰率を下げる必要はありません。改善すべきページを優先的に見つけることで、効率よくウェブサイト全体の効果を高めることができます。特に注目すべきは、「アクセス数は多いのに、ユーザーがすぐに離れてしまうページ」と「コンバージョン率(CVR)が高いページ」です。前者は、コンテンツがユーザーの求めている情報と合っていない、あるいは分かりにくい可能性があります。後者は、改善することでさらに成果を伸ばせる可能性があります。これらのページを特定し、詳しく分析することで、より効果的な改善策を見つけることができます。
直帰率を下げるための具体的な方法を7つご紹介します。
1つ目は、ユーザーが求めている情報とコンテンツを一致させることです。検索キーワードや広告で打ち出している内容と、ランディングページの内容が一致しているかを確認しましょう。
2つ目は、記事の最初や見出しで結論を提示することです。ユーザーはすぐに答えを知りたいので、最初に結論を示すことで、読み進めてもらいやすくなります。
3つ目は、集客する経路を見直すことです。ウェブサイトのコンテンツと、集客経路のユーザー層が合っているかを確認しましょう。
4つ目は、ファーストビュー(最初に目に入る部分)を改善することです。魅力的で、かつ伝えたいことがすぐに分かるデザインにしましょう。
5つ目は、UI(ユーザーインターフェース)を使いやすくすることです。デザインや操作性を改善し、ユーザーが快適にウェブサイトを利用できるようにしましょう。
6つ目は、次の行動を促す導線を分かりやすく示すことです。ユーザーが次に何をすれば良いのか、迷わずに行動できるようにしましょう。
7つ目は、ページの読み込み速度を速くすることです。表示が遅いと、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまう可能性が高まります。
離脱率が高いページには、以下のような特徴があります。
これらの特徴を改善することで、離脱率を下げ、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。例えば、ページの表示速度を速くするために画像の最適化を行ったり、ユーザーのニーズに合ったコンテンツを提供することで、離脱率の改善が期待できます。
直帰率は、ウェブサイトの成果を測る上で重要な指標ですが、その解釈はウェブサイトの目的、種類、業界、流入経路によって異なります。直帰率が高いからといって、必ずしも問題があるとは限りません。大切なのは、ウェブサイトの目的とユーザーが求めているものに合ったコンテンツを提供し、スムーズに利用できる環境を整えることです。直帰率の改善が必要だと判断した場合は、この記事で紹介した方法を参考に、ウェブサイトの改善に取り組んでみてください。ウェブサイトの改善は、一度で終わるものではありません。効果測定を繰り返し、改善を続けることで、ウェブサイトの成果をより高めることができます。
回答:いいえ、直帰率の低下だけを追求すべきではありません。ウェブサイトの目的や性質によって、理想的な直帰率は異なります。たとえば、ブログ記事やよくある質問(FAQ)ページのように、1ページで情報が完結するコンテンツは、直帰率が高くても問題ないケースがあります。重要なのは、ユーザーがウェブサイトを訪れた目的を果たせているかです。直帰率を下げることよりも、ユーザーエクスペリエンスの向上を優先しましょう。
回答:直帰率が高いページを改善するには、まずGoogleアナリティクスなどの分析ツールを活用し、そのページへの流入元、ユーザーの平均滞在時間、どこで離脱しているかなどを分析します。次に、分析結果をもとに、コンテンツの内容、UI/UXデザイン、ページ読み込み速度などを改善します。改善後も効果を測定し、必要に応じて調整を繰り返しましょう。
回答:はい、一般的にモバイルサイトはPCサイトよりも直帰率が高くなる傾向にあります。これは、モバイル端末の画面サイズが小さく、操作性がPCに比べて劣る場合があるためです。モバイルサイトの直帰率を改善するには、モバイルフレンドリーなデザインを採用し、ページの表示速度を最適化、タッチ操作に適したUIにするなどの対策が求められます。